2015年9月16日 谷戸上流手入れ(その1)

 谷戸奥へ向う道にヒガンバナが咲き、秋になり夏の植物の勢いがなくなり、谷戸奥に向かって手入れ作業を進めていきます。今日は谷戸横断道上流40m付近まで手を入れました。谷戸右岸側に広がっているヨシを左岸側から数m刈り込み、左岸側に広がる草地を更に広げ、谷戸底の湿性を改善を目指します(上写真)。昨年までヨシに絡み、ヨシを覆い押し倒していたカナムグラの除去がかなり進んでいますので、ヨシは健全に繁茂しています。

 4月15日に谷戸底低地でヨシの地下茎が伸びて来ないように試験的に波板のブロックを入れた場所では、その効果が確認できました(下写真6)。谷戸内草地に作っていた止水域の周囲の草を刈り、池に光を入れました。水が豊富に溜まり、谷戸底の湿性が以前よりかなり改善されています(下写真7,8)。同時に谷戸左岸の流れも整備しました(下写真9)。
 休憩時、谷戸横断道近くの林床で休んでいると、地面に焚火の跡がありました(下写真10)。多くの方が森林火災防止で火の気に十分注意を払っている場所です。

2015年9月9日 悪天のため作業中止

  8月末からの長雨で、今日は台風18号の影響もあり、かなり強い雨が降りました。定例の作業は中止です。谷戸内は雨で霞んでいます。この天候で、土砂災害警戒のためこの近くの遠藤地区、御所見地区の計180世帯に避難準備情報が発令されました。長雨で食パンに似たキノコ、ピンポン玉に似たキノコが出ていました。夕方近く、晴れ間が見えて虹が出ました。


2015年8月29日 谷戸横断道周辺手入れ(続き)

 急に涼しくなり、雲が厚かったのですが、雨が降らない作業し易い日でした。今回は谷戸入口の新病院敷地造成工事関係の方が作業にお見えになりました。自然に関心があり、このHPを見て参加して頂き、有難く、嬉しい事です。

 今回は前回の続きで谷戸内のヤナギの剪定(上写真1)、谷戸横断道下流側の湿地で主に高茎草の刈り取りをしまた(同2~5)。

 下写真6:休憩時、谷戸横断道で談笑、7:下流側右岸沿いで高茎草刈り取り、8:谷戸内に作っていた池に貯水され、湿性が良くなっています。9:ハンノキの苗木、谷戸内で高木にならぬよう抜き取りました。10:休憩時、林床にどんぐりがついたコナラの小枝が多数落ちていました。ゾウムシの仲間のハイイロチョッキリがどんぐりに産卵し、切り落としたと知りました。 

 保全管理作業時等に見られた生物はこちら。作業時コアゼガヤツリはこれまでになく多数確認できましたが、ミズニラ、ミズワラビは確認できず。これらの湿地性シダ類は小規模な攪乱を継続しないと発芽しないものと思われます(Kk)。

2015年8月19日 谷戸横断道周辺手入れ

 猛暑で暫し作業を休んでいましたが、今日から作業再開です。この間、駐車場脇の道具入れ用物置周辺は草が繁茂しています(右上)。翌日には業者が伸びた草を刈り取っています(右下)。

 谷戸横断道は人の通行に支障はありませんでしたが、伸びた草を刈り取りました(下写真1~4)。その上流側、下流側を低茎草湿地に保つため、高茎の草を刈り取りました(同5~8)。刈り取った草は谷戸横断道脇の林床に運び出しています(同9)。柔らかい草のみですので、直ぐ枯れて小さくなりますので、後日、外へ搬出します。

 谷戸横断道上下各約10m幅程度は水辺がある低茎湿地に保ちます。都市公園では嘗ては派手な園芸植物を植えた人工的な庭園が普通でしたが、最近は地元の山野草にこだわったを自然庭園が、人々の昔懐かしい風景として癒しの場所になっています。ここでもこの谷戸に自生する植物を活かしています。(下写真10:湿地の中に湿性のハンノキの苗は低茎湿地にするため取り除きます。外来種や園芸種も除去しています)。


2015年7月25日 猛暑で作業中止

  猛暑日になり、作業中止です。昨年も7月末の作業は熱中症懸念のため取止めてます。猛がつく暑さが当たり前になってしまい、7月末~8月上旬に屋外で作業をするのは非常識、急ぐ事ではありませんので安全第一で、今後はこの間は夏休みです。この暑さの中、新病院造成工事が開始されています。テニスコートも無くなりつつあります。


2015年7月25日 観察会

 梅雨明け十日といいますが、この日も気温30℃を超える猛暑でした。集合場所に向かう道沿いでは、昆虫寄生菌(エントモファガ・グリリ)に寄生され、イネ科の茎に捉まったまま死んでいるショウリョウバッタの幼虫がいました。
 集合場所のスルガ銀行前の階段には、ウスバカミキリがいました。夜の明かりに誘引されて飛来したのでしょう。触覚が短めなので、♀であることがわかります。みんなでじっくり観察しました。
 今年はセミ類の発生が早く、あちこちからニイニイゼミ、ミンミンゼミ、クマゼミの鳴き声が聞こえてきます。道路際に植栽されているカツラでニイニイゼミが鳴いていたので、近づいてみると一本の木に数頭の成虫が止まっていました。かなり低い位置にも静止していたので、格好の被写体になってくれました。
 知人から、今年はニイニイゼミが多いように思うという話を聞きましたが、遠藤笹窪谷でも発生個体数が多いようです。植物の開花も早く、クズも花を付けています。ルリシジミの♀が、蕾で産卵していました。
 看護医療学部そばの盛り土された道脇に、セイタカアワダチソウが群生しています。褐変している葉をひっくり返すと、アワダチソウグンバイの幼虫・成虫が多数見られました。アワダチソウグンバイが多数発生すると、一時的にセイタカアワダチソウの葉が枯れますが、残念ながら枯死するには至らないようです。アワダチソウグンバイもセイタカアワダチソウに依存しているので、無理からぬことでしょう。慶応大学駐車場付近では、ツバメが30羽ほど飛び交っていました。遠藤笹窪谷周辺には、ツバメの営巣できる環境が多いことの証です。
 看護医療学部より奥の道沿いは斜面林が木陰を作っており、涼しさを感じます。ノカンゾウが、きれいなオレンジ色の花を付けていました。
 飛翔するアオスジアゲハの♀の周りを、♂が輪を描くようにくるくると飛んでいます。求愛飛翔です。しばらく求愛飛翔は続きましたが、♀が気に入らなかったのか、やがて♂は飛び去ってしまいました。
 体調がすぐれず、早めに観察会を終了させていただきました。熱中症の危険があるため、午後からの保全管理作業は中止となりました。(11時半終了 岸 一弘)

見られた生物  当日撮影された生物は生き物記録写真7月の2~15番にアップ

1.植物
・開花していたもの:ノカンゾウ、コボタンヅル、ネムノキ、ユウゲショウ、コウゾリナ
アメリカスズメノヒエ、カラスザンショウ、オニドコロ、ミズタマソウなど
・その他:ツリガネニンジン
2.昆虫類
・チョウ類:アオスジアゲハ、アゲハ、キアゲハ、モンキアゲハ、モンキチョウ、モンシロチョウ、キタキチョウ、ヤマトシジミ、ベニシジミ、ルリシジミ、テングチョウ、アカボシゴマダラ、サトキマダラヒカゲ
・トンボ目:オオシオカラトンボ、コシアキトンボ、ウスバキトンボ
・バッタ目:トノサマバッタ(幼虫)、ショウリョウバッタ(幼虫・成虫、幼虫死体)、オンブバッタ(幼虫)
・カマキリ目:オオカマキリ(幼虫)
・カメムシ目:アワダチソウグンバイ(幼虫・成虫:セイタカアワダチソウ)、ニイニイゼミ(成虫・ぬけがら・鳴き声)、ヒグラシ(ぬけがら・鳴き声)、アブラゼミ(ぬけがら)、ミンミンゼミ(鳴き声)、クマゼミ(鳴き声)、アミガサハゴロモ、ホソハリカメムシ
・コウチュウ目:カブトムシ(♂死体)、コフキコガネ、ヤマトタマムシ、ウスバカミキリ(♀)、エノキハムシ、ブタクサハムシ(蛹:オオブタクサ)
・ハチ目:ルリチュウレンジ、ツマアカクモバチ(南方系種)、セグロアシナガバチ
3.クモ類
 カニグモ、アズチグモ、ジョロウグモ(幼体多数)、オスクロハエトリ
4.爬虫類
 ヒガシニホントカゲ(幼体)
5.鳥類
 ツバメ、ヤマガラ、スズメ、ウグイス、ホオジロ(鳴き声)

2015年7月15日 谷戸内植物は陽の光争奪戦中

 台風が接近する暑い日で、熱中症に気をつけながらの作業です。強い日光が射す谷戸内では、植物たちは陽の光争奪戦を繰り広げています。何とか上に伸び、日光を独占し他の植物を押し退けて、繁茂しようとする植物でいっぱいです。繁殖力の強い外来種、オオブタクサ、セイタカアワダチソウのような高茎草は従来の作業で殆ど見られなくなりましたが、カナムグラのような蔓性の植物は、ヨシに絡みつき上に出ようとしています。今回、ヨシ原沿いでヨシの剪定を兼ね、絡みつこうとするカナムグラを刈り取りました(上写真1~3)。写真1では天気を悪くするひつじ雲が出ています。やはり、翌日7/16は雨でした。今年は作業が進み、カナムグラがヨシに覆い被さる前に除去でき、健全なヨシ原が出現するでしょう。

 ヨシが無い谷戸奥では高茎草が無いため、低茎草を主とする湿性植物と地面を這うカナムグラの場所取り合戦です。ここではカナムグラは劣勢で、湿性に強い低茎草が残るよう、人の手を少し入れました(上写真4,5)。作業中、地中の巣穴に茶色のネズミが逃げ込みました。ヒメネズミ、アカネズミ、嘗てここで記録あります(右写真6)。最後は草で覆われていた流れに光を入れる作業で終了です(右写真7、8)。


2015年7月8日 ヨシの刈り取り

   7月に入り、雨が降り続き、この日は午前中、雨が止み幸運にも作業ができました。谷戸両岸の流れ脇までヨシが進出し始めていますので、その分を10m程度の幅で刈り取りました。

 左写真1,2は谷戸横断道下流左岸沿い、下写真3,4は同下流右岸沿い、下写真5~7は同上流右岸沿いでの作業様子です。

 

 下記基本計画イメージ図(H24/3 健康の森基本計画 健康の森あり方検討会)を目標に谷戸横断道周辺で一連の作業を進めています。


谷戸横断道のイメージ(H24/3 健康の森基本計画 健康の森あり方検討会より)
谷戸横断道のイメージ(H24/3 健康の森基本計画 健康の森あり方検討会より)

2015年6月27日 慶応大学の学生さん参加

 今回は従来から参加している慶応大学の学生さんに加え新たに大学生1名に参加頂き、多くの作業ができました。

 谷戸内のヨシを刈り込み谷戸外に積んでいた山を、市の許可を得て公益団体が畑地で使うため、外部へ搬出して頂きました。軽トラックで2往復する量がありました(下写真1、2)。次いで谷戸内で繁茂しているヨシの進出を食い止めるため、ヨシを一部刈り取り(下写真3~5)、左岸で谷戸内に低く垂れ下がっている枝を除去しました(下写真6~8)。谷戸横断道上流側に張ってあるロープを新しく張り直し、保護管理する場所を明確にしまいした(下写真9)。

 今までの谷戸内での止水域造成の結果でしょう、約5年ぶりに1cm程の孵化して余り日が経っていないヒキガエルの幼体が山道で見つかったのは大発見です(下写真10)。カエル達が戻ってくる湿地ができつつあるのを実感しました。

2015年6月17日 谷戸横断道周辺手入れ作業(その3)

    午後、にわか雨がありましたが、午前中に曇空の下で作業ができました。谷戸横断道下流側の一部刈り残しがあった個所で高茎草類を刈り取り、外へ搬出しました(上写真1~3)。上写真4のように整備されました。次いで、谷戸横断道上流側の前回作業した奥で草刈りをしました(上写真5,6)。途中、現場に回って来た藤沢市の職員の方と谷戸談義(上写真7)があり、上写真8のように整備されました。この草刈りで、ここの湿地に多数いるヒメギスが慌てて隣接する刈り残している場所に移動する姿が見られました(上写真9)。済みません、引越しお願いしました。最初切り取る予定していたマユミの木に大きなアオダイショウが休んでいるため、手を入れずそのままにしておくと、蛇は安心したのでしょう、作業の様子をじっと見ていた感じです(上写真10)。

2015年6月10日 谷戸横断道周辺手入れ作業(その2)

 梅雨入り後間もない晴れ間のある夏日でした。前回作業が残っていた、谷戸横断道上流側で高茎草を刈り取りました(写真1,2)。谷戸内で大きくなっていたヤナギも剪定しました(3)。刈り取った草は谷戸外に運び出しました(4,5)。

 刈り取ると湿地が草の下から現れました(6)。群生して繁茂している希少種、コウヤワラビ(7左)、クサヨシ(7右)、ヒメシダ(8)は刈り残して保護しています。写真8に作業後の風景を示します。前回作業時、看護医療学部の入口で巣立ったツバメの巣では、2番子の営巣を始めています(10)。看護医療学部食堂での昼食後のアイスクリームが暑さと作業の疲れを癒します。

2015年5月30日 谷戸横断道周辺手入れ作業

 午前の観察会の後、午後、谷戸横断道周辺で高茎草を刈り取りました。谷戸横断道下流側(上写真1)、同上流側(同2)、谷戸横断道(同3、4)で草刈りをしました。湿地に強く依存するコウヤワラビやシダ類は選んで残しました。看護医療学部の入口のツバメは3羽が巣立ちし、最後の1羽が残っていました(同5)。

 下写真は手入れ後の谷戸横断道付近の様子です。

保全管理作業時に見られた生物(13:3014:20)

 1.コケ類

    イチョウウキゴケ

 2.植物

 ・開花:ウメモドキ

 ・結実:ヤセウツボ

 ・その他:ハンノキ、ムラサキツメクサ

 2.昆虫類

・蝶類:スジグロシロチョウ、キタキチョウ、ウラゴマダラシジミ、ルリシジミ、イチモンジチョウ、キタテハ、アカボシゴマダラ、ヒカゲチョウ

・蛾類:キアシドクガ

・トンボ目:ヤマサナエ(1♂)、シオヤトンボ(1♂)、オオシオカラトンボ(1♂)

・バッタ目:ヒメギス(幼虫多数)、フキバッタの一種幼虫(おそらくヤマトフキバッタ)、キンヒバリ(♂鳴き声)

・カメムシ目:シマアメンボ、ヤスマツアメンボ

・コウチュウ目:ベニカミキリ、アシナガオニゾウムシ(1♀:エノキ)

・ハチ目:オオスズメバチ

・ハエ目:オオイシアブ

3.オオムカデ目

  トビズムカデ1個体(ベニカミキリを捕獲中)

 

◆シオヤトンボ

 幼虫が緩やかな流れのある湿地に生息する種類で、遠藤笹窪谷では2002年以降記録されていなかった。記録されたのは1♂だけなので、発生したものかどうか定かではないが、湿地再生作業により止水性のクロスジギンヤンマ、オオシオカラトンボが発生するようになっており、本種が記録されたことも、湿地再生が進んでいることの表れと考えられる。(Kk)

2015年5月30日 観察会(昆虫)

 前日とは打って変わり真夏のような天気の観察会でした。朝から日差しが強かったため、看護医療学部までの道沿いでの観察は避け、樹林地の林縁から観察会が始まりました。このホームページの観察会案内を見て来られた方、慶応大学のビオトープで調査をする同大学の学生さんも参加いただきました。

谷戸の林縁では、光らないホタル類のムネクリイロボタル、クダマキモドキ類の一種(若齢)、ホオズキカメムシ、ハバチ類幼虫、ゴミグモなどさまざまな小動物が次から次へ登場します。

 初夏を代表するトンボ類のヤマサナエ()が、現れました。チョウ目の一種を捕獲中だったのですぐ道に止まり、被写体になってくれました。

 昨年ほどの個体数ではありませんが、今年もヒオドシチョウの蛹・蛹殻が30個以上見つかりました(午後の保全管理作業では、羽化直後の個体も確認されました)。道沿いのフェンスに、紐のようなものが絡んでいました。動き出した「紐」は、アオダイショウの幼蛇でした。林内からは、すっかり常連となったキビタキ♂の声も聞こえてきます。

横断道周辺では、パトロールするクロスジギンヤンマ♂の姿が見られました。保全管理作業の一環で池を創出し、安定した止水域が出来たことの成果が、ここにも現れています。

 台地上の畑では、トノサマバッタの♂が見られました。トノサマバッタの成虫が見られるのは6月以降のことが多いのですが、今年は4月以降の高温で発生が早まっているようです。(Kk)

 

自然観察会で見られた生物(9:0012:20)

1.植物

  開花していたもの:ウツギ、スイカズラ、ヒレハリソウ(コンフリー)ハルジオン、ヒメジョオンなど

結実していたもの:ガマズミ、ウグイスカグラ

その他:オオスズメノカタビラ、ナワシロイチゴ、ツルフジバカマ

2.昆虫類

・蝶類:モンキアゲハ、モンシロチョウ、モンキチョウ、キタキチョウ、ムラサキシジミ(幼虫:シラカシ巣中)、アカシジミ、ミズイロオナガシジミ、ルリシジミ、ベニシジミ、ツバメシジミ、テングチョウ(1♀:エノキで産卵中)、イチモンジチョウ、キタテハ、ヒオドシチョウ(蛹・蛹殻計30頭以上)、アカボシゴマダラ、ダイミョウセセリ(1齢:オニドコロ巣中)、イチモンジセセリ

・蛾類:タケカレハ()、マイマイガ(終齢)、ヤマトカギバ、キエダシャク、シバミノガ(幼虫)

・トンボ目:ヤマサナエ、クロスジギンヤンマ

・バッタ目:クダマキモドキの一種(若齢)、ヒナバッタ(幼虫・成虫;♂の鳴き声も確認)、トノサマバッタ(1♂)、ツチイナゴ(成虫)

・カマキリ目:オオカマキリ(若齢)

・カメムシ目:ツマキヘリカメムシの一種(多数:ウド)、アカシマサシガメ?、シマサシガメ、ヨコヅナサシガメ、ホオズキカメムシ、

・コウチュウ目:コアオハナムグリ(多数:クリに訪花)、シロテンハナムグリ(1頭:クリに訪花)、ムネクリイロボタル、カミキリモドキの一種、ベニカミキリ、エゴツルクビオトシブミ(成虫・揺籃:エゴノキ)、ホホジロアシナガゾウムシ(ヌルデ食害)、ハスジカツオゾウムシ、リンゴコフキハムシ、クロウリハムシ、ヤマイモハムシ(オニドコロ)、イチモンジカメノコハムシ、ジンガサハムシ(幼虫・成虫:コヒルガオ)

・ハチ目:コマルハナバチ、フタモンアシナガバチ(女王・初期巣)、クロクサアリ?(エノキ幹)

・ハエ目:アシナガバエの一種、

3.クモ類

  ゴミグモ、アオオビハエトリ

4.貝類

  ミスジマイマイ

5.爬虫類

  アオダイショウ(幼蛇)

6.鳥類

  アオゲラ(鳴き声)、セッカ(鳴きながら飛ぶ)、ガビチョウ、キビタキ(♂鳴き声)、ホオジロ、オオタカ、キジ♂、ヤマガラ

2015年5月20日 ヤナギ伐採と低茎草地管理

 谷戸右岸はかなりの湿地で、2箇所でヤナギが大きくなりすぎています(下写真1)。近づいて見ると、ヤナギが密集しています(写真2)。今回、この2箇所のヤナギの伐採を始めました(作業前:写真3、作業後:写真4,5)、刈り取った枝等:写真6,7)。未だ残っているヤナギは次回以降伐採予定します。写真4を見ると、この地はかなり湿性が進んでいるのが分かります。

 次に前回の続きで残っているオオスズメノカタビラを刈り取りました(写真8,9)。その中に紛れ込んでいるノイバラも同時に刈り取り、セイタカアワダチソウの幼苗を抜きました。(写真10)。密集して生える外来種は幼苗時抜くのが労力が少なく効果的です。

2015年5月13日 低茎草地、流れの水位

   上写真1:谷戸奥では写真右側の流れが深いため、右側は乾燥化傾向にあり、左側は流れが浅く水位が高く、湿性が保たれています。そのため、左側は湿性のヨシ原が連なっています。右側は高茎草(主に外来種のセイタカアワダチソウ)で覆われていました。昨年までの手入れ作業で、背が高く密集するセイタカアワダチソウはほぼ無くなりましたが、その後をオオスズメノカタビラを主とする低茎草が一面に繁茂し、他の植物の発芽を困難にしています。それでも、谷戸内湿地改善作業が進んでいる場所では(上写真2~4)、植物や小さな生き物が進出し、草地の下に湿った土が甦っている箇所(上写真5)も増えました。

 今回、オオスズメノカタビラが繁茂している場所を、その種が落ちる前に、集中して刈り取り、地面に光を入れました(左写真6、7、下写真8,9)。


 オオスズメノカタビラは乾燥化傾向にある場所に集中して進出しますので、湿地改善のために、その横の流れに小さな堰を作り水位を高める作業をしました(上写真10~12)。堰は自然物で作った不完全なもので水漏れがあり、斜面林からも湧水が流れ込み、下流の水量を確認しながら進めていきます。

2015年4月25日 谷戸最奥部低茎草湿地管理

  谷戸最奥部を低茎草湿地にするため、ヨシ(高茎草)を刈り取りました(上写真)。作業中、生き物に詳しい人が記録をとっています(上写真4)。

 谷戸中央部の流れに覆い被さっているヨシも刈り取り、流れに陽を当てます(下写真6,7)。大勢の方が来られましたので、野外でヨシの刈り方の談義をしました(下写真8)。最後に谷戸源流部で流れを調べました(下写真9)。谷戸左岸の流れが深く掘り込まれおり、谷戸内に保水する事なく流れ去る水量も多いので、谷戸源流側でその分の水量調整を試験的に実施しました(下写真10)。矢印方向への水量を絞っていますが、谷戸左岸から湧水があり、下流側の流れは枯れる事はなく、谷戸全体の保水性の改善を目指します。

2015年4月15日 谷戸内ヨシ刈り、波板及び流れ岸整備

 にわか雨が降る天気が安定しない日でした。その天気を察し、谷戸内でアマガエルが鳴きました。

 谷戸横断道両側で前回刈り残していたヨシを刈りました。写真1は下流側での作業、写真2はその作業後の様子、写真3は上流側での作業、写真4はその作業後の様子を示します。谷戸底低地ではヨシの地下茎が伸びて来ないように試験的に波板のブロックを入れました(写真5,6)。竹が森に進入するのを防ぐにも用いられる方法です。谷戸左岸流れ脇が谷戸中央低地に対し、かなり盛り上がっている所(嘗て流れを深く掘り込み積んだ土砂)があるので、一部で平坦にする作業をしました(写真7)。


2015年4月8日 作業中止 真冬に戻った寒い雨天

2015年3月28日 谷戸内ヨシを刈る

 谷戸内で枯れているヨシ原を、冬鳥が帰り利用する事が少なくなり、新芽更新のためにも、この時期を選んで、谷戸横断道両側で刈り取りを始めました。生態系への影響を軽減するよう隔年で刈る場所と残す場所を交互に変えます。谷戸内に刈り積まれたヨシは中々枯れず残るため、谷戸湿性を早く回復させるためにも、一部を谷戸外へ運び出しました。袋詰して外へ搬出するよう藤沢市に処置をお願いする予定です。


左:ホオジロの巣?   右:カヤネズミの巣?
左:ホオジロの巣?   右:カヤネズミの巣?

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 刈り取ったヨシの中に鳥の巣があり、場所や形状から見て、ホオジロとカヤネズミの古巣のようです(右写真)。

作業時見られた昆虫等 (Kk)

1.昆虫類

 スジグロシロチョウ 4♂,ルリシジミ 1♂,テングチョウ 1♀2頭,キタテハ 1頭(コナラ樹液を吸汁),ルリタテハ 1頭,ヒオドシチョウ 1頭(コナラ樹液を吸汁)+1頭(飛翔),ヒメギス 若齢10頭,ツマグロオオヨコバイ 2頭,アメンボ 1頭,ナナホシテントウ

2.爬虫類

 ニホンカナヘビ 1個体

2015年3月28日 観察会(植物)

  春の谷戸へ入る時は、いつでもワクワクします。シメが止まる木の後ろを猛スピードでツバメが通り過ぎて行きました。今は冬から春へのリレーゾーンのようです。林の天辺を黄色に染めていたのはクヌギ、街路樹のカツラは花弁のない目立たない花を咲かせ赤く染まっています。ベニシジミが長い間吸蜜していたカントウタンポポは、この丘が元々の谷戸の土であることを教えてくれていました。タチツボスミレ、ウグイスカグラ、ヒメウズ・・・小さな花々を観察しながら谷戸を抜けると、外来種のフラサバソウに気がつきました。様々な人達が谷戸を訪れるようになったからでしょうか?(A)
  花を見たもの
  カラスノエンドウ(ヤハズエンドウ)、スズメノエンドウ、カントウタンポポ、セイヨウタンポポ、ヒメウズ、クレソン(オランダガラシ)、マルバスミレ、タチツボスミレ、アカネスミレ、オオイヌノフグリ、タチイヌノフグリ、フラサバソウ、ヤブヘビイチゴ、ショカッサイ、ホンモンジスゲ、ミチタネツケバナ、タネツケバナ、カツラ、クヌギ、ヤブツバキ、タチヤナギ、ウグイスカグラなど。

同時に見られた昆虫ほか (Kk)

1.昆虫類

 モンキチョウ 5♂2♀、モンシロチョウ 2♂、スジグロシロチョウ 1♂、キタキチョウ 1♂2♀、ベニシジミ 3頭:カントウタンポポで吸蜜、テングチョウ 1頭、キタテハ 3頭、コバネヒメギス 若齢1頭、アルファルファタコゾウムシ 幼虫3頭(ヤハズエンドウ)、ヒメフンバエ? 死体多数(昆虫寄生菌に罹病)、ビロードツリアブ 1頭(ダイコン花に訪花) 

 昆虫寄生菌は寄生する相手を半死のゾンビのように操るのが凄い!(寄生菌は自分の苞子を遠くまで飛ばすため、寄主を高い草の先まで登らせる、ハリガネムシはカマキリ等に寄生し、自分は水中で繁殖するので、寄主を水辺まで移動させる)

2.クモ類

 ゴミグモ 幼体2頭

2015年3月18日 谷戸内灌木伐採 止水域作り

 谷戸最奥部左岸ではクワの木が何本か大きく灌木化しています(上写真1)ので、その木を伐採しました(上写真2~5)。以前、この藪でコガタスズメバチが巣を作り、調査に入った時、刺された事があり、その藪も刈り取りました。その時、アマガエルの声がありました。谷戸内では両側の流れが浅く水位が浅くなっている場所(谷戸横断道から約180~200m上流)で、止水域を作ると、直ぐ水が貯まりました(下写真6,7)。これにて谷戸の保水力は更に良くなります。谷戸内ではカナムグラの幼苗が多数芽を出し、夏場のカナムグラ繁茂のもとになります(下写真8)。試験的に設けた区域でカナムグラの幼苗を抜いて実験してみます(下写真9)。幼苗は数は膨大ですが、抜き取るのは簡単で、以前、この方法でオオブタクサ除去に効果がありました。

2015年3月11日 ノイバラ刈込2 自然環境調査2

 谷戸内に未だ残っていたノイバラを刈り取りました(上写真1、2)。棘があり難儀しましたが、谷戸内2箇所に集めて積みました(上写真3、4)。

 前回に続き、谷戸周辺の自然環境を見て回りました(下写真5)。その結果、谷戸奥部では湿潤化が順調に進んでいましたが、谷戸横断道上流80~120m付近では左岸の流れが深く谷戸内の水位が深く、その付近では乾燥化が進んでいるようです。谷戸内の水位を上げるため、少しずつ掘り込み作業をしました(下写真6~8)。

2015年2月28日 谷戸を覆う樹木調査2 自然環境調査

  谷戸奥の風景  
  谷戸奥の風景  

 2/11に引き続き、谷戸左岸沿いの谷戸を覆う樹木の中で、密集している、谷戸内に根が進出しているとか倒れ込んでいる、常緑で谷戸底を広く長時間日陰にする、通路に近い枯れて危険なもので択伐した方がよい樹木(案)にマークを付けました(下写真1、2)。その中で春まで枯葉が枝に残り、枝を折ると香りがするヤマコウバシ(下写真3)、笹窪谷では希少種

で2本ありました。またこれも希少なトウゲシバ(生き物記録2/28に写真)が谷戸左岸流れ沿いで見つかり、これはやや湿った環境を好みます。谷戸内ではノイバラ除去やウツギの剪定、手入れ、一部両岸の低木常緑樹も伐採しました(下写真4、5)。同時に谷戸奥で自然環境調査し、後日公開するようまとめをします。今回の作業でトウゲシバも見つかった事で、着実に良い谷戸環境が回復しつつあると感じました。

2015年2月11日  谷戸を覆う樹木調査 ノイバラ刈込

 谷戸奥では両側の森から枝がかなり伸び(上写真1)、谷戸を覆う形になっており、一部谷戸底に光を入れ、谷戸環境改善のために、谷戸沿いで増えた樹木の択伐が必要となっています。森で作業をする人たちと話し合いをし、作業内容を確認していく必要がありますので、今回はその下準備として谷戸右岸の流れ沿いの樹木の状況を見てきました(上写真2)。谷戸最奥部には大きなシラカシの倒木があり、これは私たちの手作業では無理で機械で切った方がよい感じです(上写真3)。択伐した方がよい樹に白いテープを付け、他方この谷戸では貴重な種として残した方がよいものには注意書をしました(上写真4 4/23の現地メモにウワミズザクラの花の写真)。樹木を見て回ると大きな穴が開いており、ミヤマカミキリの幼虫が出た跡のようです(上写真5)。その近くにはカミキリが樹皮を齧った跡が一周していました(右写真6)。観察をしながらの調査です。

 谷戸沿いの流れに沿って歩くのですが、今までの一連の作業で谷戸の保水力が徐々に回復しており、長靴がとられて通れない所があるため、一部斜面林に回りました。

 その後、前回谷戸内で刈り取っていたノイバラの枝を一箇所に集めました。ノイバラは生命力が強く、走出枝が出て新しい苗になりますので、樹木を敷いて地面に触れないよう積み上げています(右写真7~9)。


2015年2月10日 林床で落葉掻き

 林内で保護観察をしている春咲く植物のために、谷戸右岸斜面林で積もった落ち葉をとりのぞき、ササなどを刈り取る作業をしました。すでに藤沢サンクチュアリの方により林内が手入れされ、明るい光が入るようになっていますので、小さな植物が背伸びできるように・・との親心の落葉掻きです。あとは花待ち、春待ちです。
 この作業は神奈川県植物誌調査会・藤沢グループが藤沢探鳥クラブの笹窪谷チーム、藤沢サンクチュアリの方々の協働作業で実現しています。同時に林内にある希少植物に保護のためマークを付けました。

2015年2月4日 谷戸奥で作業(その4)

写真6
写真6

 朝、駐車場でカシラダカが多数、餌を採っており、車を入れると、周囲の林に飛び込みました。やはり、今冬は冬鳥が多いようです。

 今回は谷戸奥で谷戸内にある密集したノイバラのブッシュを刈り取りました(上写真1~4)。根が縦横に張り巡らされ、かなり太い根もありました(上写真5)。ブッシュにメジロの古巣があり(左写真6)、幹の根本でゴマダラカミキリの幼虫が見つかりました(下写真7)。その周囲に小さな蟻が無数にいます。ノイバラのブッシュ(下写真8 12月撮影)は下写真9のように刈り取られました。作業に余裕がありましたので、止水域を増やす作業を追加しました(下写真10、11)。確実に谷戸内は湿性が増してきています。

2015年1月24日 谷戸奥で作業(その3)

 午前中の探鳥会のあと谷戸奥で、谷戸左岸の水の流れを整備(上写真1~4)し、野鳥や虫たちが利用する場所を残して、谷戸林縁流れ沿いで枯れている草を刈り取り、流れに覆い被さっている枝を剪定しました(下写真6~8)。その結果、流れに光が入るようになり、中大型野鳥が谷戸内出入りがし易くなります。前回、谷戸内でノウサギの糞等が見つかっていましたが、今回は草を食べた食痕がありました(上写真5)。流れの中にカワニナも見つかりました(生き物記録 1/24に写真)。

 下写真9は谷戸最奥部の様子ですが、谷戸内にシラカシの大木が倒れかけており(下写真10)、機械が使える方に切り倒しの作業をお願いすることになります。

    谷戸内での年間の作業がほぼ一巡しましたので、仲間で話をした結果、今後は谷戸内のヨシ原は生き物が冬の利用を終えた後に、ヨシが芽吹く直前に、毎年、選択的に生き物が移動できるように半分ずつ刈取る方向にしました(以前から谷戸埋立地の草地では隔年でトラ模様に刈り取る作業が行われている)。谷戸環境に連続する斜面林での択伐の方法も、関係者と打ち合わていく必要があるかと思われます。

2015年1月24日 探鳥会

  光が射さない少し寒い日でした。早めに来た人がSFCの構内でイカルの群を見ていますので、立入許可を得て最初に皆で見に行きました。遠くのサクラの大木に20羽前後のイカルが飛び回っていました。ハイタカが現れたためで、多くの野鳥が飛び出してきました。枝に残っていた1羽のイカルを望遠鏡で見る事ができました。イカルは数年前、谷戸入口のエノキに数十羽が来て以来の集団です。その後、定例の谷戸内、西の畑地、東の畑地を通り、昼過ぎに慶応大学バス停で終了です。

 野鳥の種数は例年の冬と大差ありませんが、今冬は野鳥の個体数が多いため、多数の野鳥を見た印象です。谷戸横断道付近で謎のモズ(写真4)に会い、現場で見た目では黒い過眼線が小さく、風切羽の白い紋が殆ど無く、胸に鱗マークが多少あり、♀のモズ?と思ったのですが、後日写真で見ると嘴の根元も真っ黒でなく、過眼線も有り、白い紋も翼に跳ねるようにあり、♂の若いモズのようです。畑の脇にはモズのはやにえがありました(写真5)。

見聞きした野鳥:キジバト、ヒヨドリ、モズ、ヤマガラ、シジュウカラ、イカル、コゲラ、シロハラ、メジロ、ジョウビタキ、ハイタカ、カワラヒワ、ツグミ、ハクセキレイ、シメ、オオタカ、アオジ、カシラダカ、ホオジロ、ムクドリ、ハシブトガラス、ハシボソガラス、スズメ、アカハラ(24種)。解散後に確認追加はノスリ、オナガ、カケス、ウグイス、(ガビチョウ 外来種)全部で(29種)。

 ここでは日中はムクドリは集団で他へ行っている事が多く、今回は1羽が残っていました。スズメも冬期には谷戸内入らないようですが、今回は集団で谷戸内で採餌していました。畑地の餌環境が悪いのでしょうか、タヒバリは定着せず、畑でハクセキレイを見るのも稀でした。しかし、普通種でも面白い発見がありました。

2015年1月14日 谷戸奥で作業(その2)

 前回の下流側(谷戸横断道上流200m~300m付近)で前回の作業の続きを行いました。谷戸奥に向かうと、ヨシから越冬中のカシラダカ20羽以上が飛び立ち、両側の高枝に止まりました。谷戸左岸流れ沿いにあるイボタノキ(チョウやガが産卵する)を残し、ノイバラ等を刈り取りました(上写真1~3)。谷戸内流れを少し整備しました。(上写真4)。この結果、左岸流れに陽が当たるようになりました(上写真5)。

 流れを観察すると(下写真6)、ヨシの穂にいたがキンヒバリ幼虫が見られました(下写真7)。谷戸内ではノウサギの体毛と糞が見つかり(下写真8,9)。コウヤワラビの枯れた胞子葉が見られました(下写真10)。

2015年1月7日 谷戸奥で作業

 谷戸最奥部で作業をしました。谷戸奥へ向う時、流れに潜んで越冬している野鳥が飛び出しました。繁茂して立ち枯れしているガマを刈り取り(上写真1)、大量に種子が散布しないようガマの穂を切り、回収しました(上写真2)。数年前、谷戸奥湿地で記録があり、その後生育が確認できないクサレダマの発芽を促すため、覆っているヨシ原の一部を切り開き、土壌を掘り返しました(上写真3~5)。

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 その下流側で覆いかぶさっているヨシを切り開き、流れを表に出しました(上写真6、7)。湿地に足を取られ、長靴が潜り込み足が抜けず、土砂が靴の中に入りました。昨年の作業時と同じことになりトホホホ・・・。同時に、谷戸右岸沿いの林縁に立ちはだかっているフジの蔓、カナムグラの枯れ蔓、低く垂れさがっている樹木の枝等を一部で取り払い、中大型の野鳥の谷戸内への出入りをし易くしました(上写真8)。谷戸最奥部(上写真9)に水源の斜面が見え、谷戸下流側は谷戸左岸側の半分にヨシ原が続くように残しています(上写真10)。

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 谷戸内で作業をしていると、ここに縄張りを持つジョウビタキが、谷戸内に置いたリックサックの上に止まり、作業を見守っていました(下写真11)。谷戸奥のヨシ原でもカヤネズミの古巣が見つかり(下写真12)、旧グランド付近に多く見られたものが、刈り取り等の圧もあり、谷戸奥へ移動して来ているようです。谷戸奥ではサワガニをよく見ましたが、ここでは青色型(下写真13)が多いのですが、赤色型(下写真14)がいました。

2014年12月20日 枯れたカナムグラの取り除き

 寒い雨が降り出す前に、幸運にも今年最後の作業に1時間半程、時間が取れました。

 谷戸右岸沿いにあるヨシ原に覆い被さり、押し倒している枯れたカナムグラを取り除きました。中間にギャップ(空間)ができ、生き物や植物のよい棲みか(ビオトープ)になります。今年は昨年の作業実績もあり、谷戸内1番~8番湿地改善予定地(谷戸横断道上流200m付近)での作業が予定より早くかなり進捗しました。年明けには、谷戸側面、谷戸奥(8番湿地改善予定地より上流)の作業を目指します。


    作業前-----------→作業中-----------→作業後

2014年12月10日 谷戸横断開口部と枯れ草刈り取り

   6/4、9/3に作業し、中断していた3番湿地改善予定地(谷戸横断道上流80m地点)の右岸で一部残されていた枯れたヨシを刈り取り、谷戸両岸を繋ぐ開口部を設けました(上写真1~3)。冬鳥が利用している連続してあるヨシの茂みの一部に、谷戸を横断する隙間(ギャップ)を作り、左右の斜面林を大中型の野鳥が横断し易くなる谷戸内回廊になります。 12/3作業した6番湿地開戦予定地(同160m地点)と2箇所に設けました。

 その後、カナムグラが枯れて、ヨシを押し倒している場所で、一部、カナムグラを刈り取り、ヨシの芽吹きと冬鳥の利用を目指します(右写真4~6)。

 この谷戸内作業地に隣接している右岸斜面林を回ってみました。この改善された谷戸環境に接し、藤沢サンクチュアリの方が程良く手入れした林が連続し、谷戸横断道上流側に良い自然環境が再現されつつあると感じます。


2014年12月3日 谷戸奥6~8番湿地改善予定地

 冷え込む快晴の日でした。今回から慶応大学SFCの学生Nさんにも作業加勢頂きました。Nさんは野鳥研究の第一人者樋口広芳特任教授の指導の下、野鳥を研究している頼もしい助け人です。今回は谷戸横断道から200m上流の、8番湿地改善予定地で以前作っていた池に、左岸の流れから一部流れを引き込みました(上写真1,2)。湿った場所にサワガニがいました(上写真3)。翌日見ると、池に少し水が溜まっています(上写真4)。湿り気が回復したためか、谷戸内に落ちたコナラの実が既に発芽していました(下写真5)。

 更に上流側に広がるカナムグラが枯れ、ノイバラやマユミを覆い尽くしているテント群を、冬鳥が塒や身を隠すのに都合が良いように少し手を入れました(下写真6~8)。 

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 その下流側7番湿地改善予定地は8月に作業して3箇月経っても、ほぼそのままの環境が保たれていました(下写真9)。更に、6番湿地改善予定地右岸に残っていたオギを刈り取りました(下写真10、11)。この中にカヤネズミが使った古巣が見つかり、谷戸奥のオギ原でカヤネズミが増えているようです。冬鳥が利用している連続してあるオギの茂みの一部に、谷戸を横断する隙間(ギャップ)を作ることで、左右の斜面林を大中型の野鳥が通り易くなる回廊にもなります(下写真12)。

2014年11月29日 辛うじて探鳥会やれました

  天候が目まぐるしく変わる日でした。車で慶応大学バス停に出向く時、雨が酷くなり、探鳥会中止決定としたのですが、9時過ぎに到着すると、雨はおさまり、3名の鳥キチさん?が見えており、結局、天気が持つ限り、観察会実施に軌道修正しました。途中、陽が射す時もあり、10時半頃に本格的に雨が降り出すまで、畑の方は回れませんでしたが、1時間半程で下記の野鳥が観察できました。

 ツグミ、カワラヒワ(群)、シメ、ヤマガラ、ホオジロ、メジロ、ヒヨドリ、ハシブトガラス、キジバト、オオタカ、ノスリ(対岸の杉の木の途中にとまる)、カシラダカ(群)、アオジ、シロハラ(声)、シジュウカラ、スズメ(集団 谷戸外)、トビ、ジョウビタキ、キセキレイ (計19種)。

 畑環境にいるヒバリ、タヒバリ、ムクドリ、ハクセキレイ、ハシボソガラス、チョウゲンボウと11/27の下見時のモズ、ウグイス(地鳴き)、コジュケイ(声)アオゲラ(声)は今回記録されませんでした。

 印象に残るのは、カワラヒワ及びカシラダカの群、対岸の杉にとまるノスリ、清流に上がってくるキセキレイはここでは希少です。

 帰る時、ヒラタケ(食べられるキノコ)を地元の方より頂きました。午後予定の谷戸内での定例の作業は悪天のため中止しました。

2014年11月22日「健康の森わくわく体験フェスティバル」

 晴れた暖かい日の午前中、健康の森管理運営協議会主催のイベントがあり、笹窪谷チームも参加しました。私たちの展示場所を上写真1に示します。手作りの展示パネル計6枚(上写真2,3)、会報「四季報」配布(上写真4)、ドングリの説明、それを使った駒作りをしました。後ろにオギで作った多数のトトロとフクロウがいます(上写真5)。

 オギを使ってフクロウの貼り絵作り(下写真6,7)、オギで作ったトトロとフクロウの勢揃い(下写真8)、同説明(下写真9)、トトロに興味を示す子供さん(下写真10)です。里山実感ウォーキング」も含め、地元の多くの方に来て頂き、感謝しております。

---------------------------------------------------------------------------------------------  11時より「里山実感ウォーキング」にご案内しました(下写真11)。谷戸奥で越冬している大型のタカの仲間「ノスリ」に出会いました(下写真12)。谷戸右岸の斜面林で藤沢市の方よりドングリの苗木を植栽し、コナラ林にする計画の説明がありました(下写真13)。最後に炭焼き窯を開けるのを竹炭の会の方から見せて頂きました(下写真14)。最後にイベント会場の全体風景を入れておきます。私たちの場所はこの写真の右奥です。(下写真15)。

2014年11月21日 健康の森わくわく体験フェスティバル準備作業

 藤沢市の方も見え、翌日の準備をしました(写真1,2)。トトロとフクロウを乗せるための青竹を竹炭の会の方に準備して頂き(写真3)、助かりました。

 従来、作業用道具等を収納していたロッカーは簡易トイレと共に、作業用車を止める駐車場に移動されており、使い易くなった感じです(写真4)。

2014年11月12日「健康の森わくわく体験フェスティバル」打合せ

トトロとミミズク 写真提供 町田田んぼクラブ 小室さん
トトロとミミズク 写真提供 町田田んぼクラブ 小室さん

 午前中に予定されていた定例の作業は天候不良のため中止し、午後から11/22予定の健康の森わくわく体験フェスティバル」での笹窪谷チームの作業内容打合せしました。

 駐車場へ入る時、駐車場に設置された倉庫の屋根にノスリが止まっており(下写真1)、駐車場の荒地で小動物を狙っていたようです。晴れてきたので、そのままその広場で11/22の展示、植物を使った体験、観察会の内容を打合せました(下写真2)。測量会社の人が旧グラウンドの鍵を開けていたので、11/22の会場現場が確認できました。そこには刈り残されたオギやススキの原にカヤネズミの巣がありました(下写真3)。当日は私たちの会場に、トトロやミミズク(上写真)が来て、来場者を出迎えてくれると思います。

 午後のお八つは「かわうそサブレ」(下写真4)で、遠藤地区隣の獺郷(おそごう)地区の社会福祉法人K会の製品です。昔、獺(カワウソ)が住んでいたと言われる場所で、獺(カワウソ)の字が地名に残されているのは、全国的に見て希少価値があります。

 帰りに駐車場を出る時、ゲート付近に不法投棄されていた大型テレビは、藤沢市で回収されていました。ゴミはゴミを呼ぶので、見つけ次第回収は不法投棄防止に有効ですね。  

2014年11月5日 2番及び1番湿地改善予定地の様子

 谷戸内での作業の帰り、今まで作業をした下流側の2番及び1番湿地改善予定地のその後の様子を見ました。先の台風の豪雨で上流側で流れが深くえぐられ(10/25作業報告参照)土砂が下流に流れたためか、下流の流れはかなり浅くなり(写真1)、水がかなり谷戸内

にオーバーフローした形跡(写真2~4)が見られました。ここでは水位が上がり、掘った池が役に立ち、以前の湿地のある谷戸に戻りつつあるのを実感します。1番湿地改善予定地には湿性植物コウガイゼキショウ数株が見られました(写真5)。コウガイは日本髪結い道具、笄(コウガイ)の形からきているとあります。昔、この近くに笄の谷」と言う谷戸の名前があったようです。

2014年11月5日 5番及び6番湿地改善予定地

  肌寒い寒い曇った日でした。10/25作業した4番湿地改善予定地の奥、5番及び6番湿地改善予定地で繁茂して残っているカナムグラを刈り取りました。谷戸内生えていたマユミの樹を昨年切り、その切株が共に作業場所のランドマークになります。写真1は5番湿地改善予定地での作業状況、写真2はその流れ沿いの灌木に絡むカナムグラの除去、写真3~5は6番湿地改善予定地での作業状況です。写真6は作業後の隣り合わせの2つの場所の様子です。マユミの切株にはキクラゲが付いており(写真7)、谷戸内に生えて刈り取りに手こずったノイバラには赤い実が付いていました(写真8)。

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