農薬や化学肥料を使用しない庭の管理を提唱、実践する庭師、曳地トシさん(真鶴町出身)の植物の面白い観察記事を知った。「植物は往々にして短く刈られると反発して、光合成を行うため短い時間でぐいっと力強く伸びる。慌てて伸びなくてもよい位の高さ5㎝程度以上の高さで刈ると、植物は安心して?急に背丈が高いものが生えてこなくなり、刈り込みの回数が減り、人も植物も楽ができる」という趣旨であった。

 草刈りをするとき、機械刈りでは全て地上すれすれに短く揃って刈られ、見た目に綺麗になるが、刈られた植物は、早く伸びようと競合状態になり、特定の強い植物のみが生き残り、それも丈が高くなる。その地の植物は敗退し、植生の多様性は無くなり、特定の外来種が繁茂することに繋がる。一方、手刈りでは不揃いながら地面よりかなり上で刈られるため、植生環境が保持でき、曳地トシさんが言う通りで、お互いにハッピーであり、手刈りの効用である。谷戸で手刈りで草刈作業をしている実感によく合う(2019/2/4)。