◇蛾類
・ナカグロクチバ
 県内では2007年に茅ヶ崎市西久保で記録されたのが最初で、その後各地で記録されるようになっている。現在では、東京、埼玉、群馬でも記録されている。タデ類、エノキグサ、コミカンソウ、ヒメミソハギなどを食草とする。
・クロメンガタスズメ
 大型のスズメガ類で 2007年に茅ヶ崎市芹沢柳谷でクサギから幼虫が記録されたのが県内初記録となった。その後瞬く間に分布を拡大し、2010年の時点では福島県まで北上している。幼虫の食性は広く、クサギのほかナス、トウガラシ、ツルハナナス、ハダカホオズキ、皇帝ダリア、ムラサキシキブなどで幼虫が確認されている。
※蛾類は蝶類に比べ、圧倒的に種類数が多い。その割に、分布を拡大する南方系種は目立っていないが、比較的地味な種類が多いこと、蛾類を識別できる人が少ないことが原因になっていると思われる。
◇カメムシ類
・ヒメジュウジナガカメムシ
 県内では2002年に藤沢市遠藤、茅ヶ崎市芹沢・甘沼で記録されたのを皮切りに、各地に分布を拡大している。ガガイモ、フウセントウワタを食草とする。
・シロヘリクチブトカメムシ
 近年四国・本州へと分布を拡大しつつあり、神奈川県では1998年に茅ヶ崎市から初めて記録された。1999年以降県内各所で記録されるようになり、さらに、東京、千葉、埼玉でも記録が得られるようになった。幼虫・成虫共に肉食性である。
◇直翅類
・ヒロバネカンタン
 神奈川県においては茅ヶ崎市の海岸付近の記録以降永らく記録が途絶えており、絶滅種に位置付けられていた。ところが、1999年以降三浦半島各地で記録が得られるようになり、2009年以降横浜市中区・瀬谷区・戸塚区、藤沢市善行、茅ヶ崎市平太夫新田でも記録され、増加傾向にある。
・ヒサゴクサキリ
 県内では1993年に平塚市と小田原市で各1個体記録されたのが最初。2001年以降、湘南地域・三浦半島一帯で生息が確認されるようになった。メダケ、マダケ、アズマネザサの林に生息する。
・ショウリョウバッタモドキ
 チガヤ、ススキの生える土手などの高茎草地に生息する。県RDB1995の時点では減少傾向にあったことから減少種に位置付けられており、県RDB2006でも要注意種の扱いだったが、近年分布拡大傾向にあり、生息地における個体数も増加している。
・フタツトゲササキリ
 従来は静岡県以西に分布するとされていたが、2007年10月1日に藤沢市石川で1♀が採集され、2010年11月14日には藤沢市遠藤笹窪谷で1♀が確認された。

 

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